冷/温罨法

冷罨法の効用

冷罨法
<原理・適応・禁忌>
寒冷刺激を与え、局所の血管を収縮させ血行を緩徐にし、
組織の新陳代謝を低下させ細胞の活性を抑制つることによって効果を得る。
・血液温度を下げ、体温降下をはかり、精神的鎮静により高体温による気分不快を緩和する
・炎症部の組織や細胞の活性を抑制し、細菌の活動を抑制することによって、炎症の進行を遅らせ、  化膿を防止する(炎症の初期・極期・急性炎症に適応)
・組織への血行減少により知覚神経の活性を抑制し、疼痛感覚を鈍くし疼痛緩和
・出血部位の血管を収縮させ、止血処置に用いる
※血管収縮は血圧を上昇させることもあるので注意する
※局所皮膚から作用を及ぼす方法であることに留意し、循環器障害・感覚麻痺・  凍傷などを引き起こさないように注意する  
※温度刺激に対する個人差を考慮に入れるほか、浮腫・脱水などの皮膚抵抗力が減弱している患者や  麻痺のある患者、体温調節機能が不十分な小児や高齢者に使用する場合には、細心の注意をはらうことが必要

温罨法の効用

温罨法
<原理・適応・禁忌>
温熱刺激を与え、局所の血管を拡張させて血行を促進し、組織の新陳代謝を亢進させて炎症性産物や
疲労性物質などを取り除き、細胞の活性を回復することによって効果を得る。
・血液温度を上げ、体温上昇をはかり、精神的緊張を緩和し低体温による気分不快を緩和する
・組織への血行増加は、炎症部の白血球の防衛反応を促進し炎症の進行を早め、炎症性産物(膿・滲出液など)の  吸収が急速に行われるため、炎症の消退を促進する(炎症の晩期・慢性炎症に適応)
・局所の炎症性産物の消退により知覚神経の緊張・興奮も低下(疼痛の緩和)
・筋肉などの疲労性物質の分解・吸収を早める
・血行の促進により、血液のうっ滞を取り除き、浮腫の軽減や術後の腸管蠕動運動を回復する
※炎症の急性期・炎症が強い時、炎症の拡大や悪化が考えられる患者、血栓症・出血傾向のある患者には禁忌
※局所皮膚から作用を及ぼす方法であることに留意し、循環器障害・感覚麻痺・
 熱傷などを引き起こさないように注意する  
※温度刺激に対する個人差を考慮に入れるほか、浮腫・脱水などの皮膚抵抗力が減弱している患者
や麻痺のある患者、体温調節機能が不十分な小児や高齢者に使用する場合には、細心の注意をはらうことが必要